人材派遣の面接で尊敬する人はどう答えるべき?

公開日:  最終更新日:2022/07/19

尊敬する人の質問はマイナス評価になりにくいですが、世間で印象の良い人を答えましょう


面接で尊敬する人を聞くことは、厚生労働省が配慮の必要な事項としており聞かれる可能性は低いです。しかし、好印象を与えるチャンスになります。

尊敬する人は世間で好感度の高い偉人や身近な人を選ぶと、面接官の印象は良いでしょう。誰を選んでもマイナス評価にはなりませんが、マイナスイメージのある人物を選ぶとあなたも同じ思想があるのかと疑われるかもしれません。

尊敬する人の答え方は、まず人物をあげて簡単に紹介します。次にあなたが尊敬する理由とあなたのエピソードを伝え、最後に職場での目標につなげます。

人材派遣会社の面接に備えて、回答例を参考に尊敬する人の答えをまとめ、準備しましょう。

尊敬する人の回答内容によるマイナス評価はありません

尊敬する人に関する質問は面接でよく聞かれましたが、今後は聞かれない傾向にあり、答えたとしてもマイナス評価はされません。しかしプラス評価もされないとは限らず、面接官に強い印象を与えるチャンスのある質問です。

うまく答えなくてもマイナス評価の心配はないからと手を抜かず、面接官に印象を残す答えを考えてみましょう。

・尊敬する人は思想・信条の自由にかかわる
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」の中で、尊敬する人物を尋ねることは思想・信条の自由にかかわるため配慮が必要としています。採否の参考にしないとはいえ、聞くと参考にしてしまうため就職差別にあたる可能性があります。

それを理由に聞かない企業は増えていますが、尋ねられる場合もあります。答えない権利があると主張するよりも、事前に無難な答えを用意し回答した方がマイナスの印象を避けられるでしょう。

派遣先の職場と相性が良いとアピールできる人物をあげると、面接官に好印象を与えるチャンスです。

<尊敬する人を尋ねる理由>
・価値観や考え方を知りたい
差別が目的ではなく、あなたの価値観や仕事に対する考え方を知る情報のひとつとして尋ねます。価値観や考え方が合わず短期間で退職をすると、あなただけでなく企業側にも負担がかかります。

早い退職を避けるため企業と近い考え方の人に働いて欲しいとの思いから、価値観を問う質問を尋ねるのです。尊敬する人を選ぶときその人らしさが現れるので、選んだ人物から面接官はあなたのパーソナリティーをチェックします。

その人物が持つ魅力、例えば強いリーダーシップや目標達成のために努力を惜しまなかったなど、あなたがどこを尊敬するかで価値観が伝わります。その人物の尊敬する部分は、あなたが自分に足りないまたは身につけたいと考えているところだと面接官はみなします。

・目標を知りたい
尊敬する人を聞き、あなたのしたい生き方や物事への取り組み方を面接官は確かめます。その人物がこれから働く予定の職場と異なる業界でもかまいません。

あなたが将来なりたい人物像から、自社に合い長く働ける人材かをチェックします。派遣予定先の企業と同じ業界の人物から尊敬する人を選ぶと、業界への興味の高さもアピールできるでしょう。

・説明する力はどのくらいか
尊敬する人を面接官に伝え、納得させられる根拠まで話せるかをこの質問で確認します。ただ好きだからと感情論で終わらせず、企業の意図をくんでわかりやすい説明ができるかを見ています。

人物と尊敬する理由、あなたとの結び付け方がうまくできると、説得力のある説明ができる人と印象づけます。

尊敬する人は好印象の偉人や身近な人から選び、世間で印象の悪い人は避けましょう


尊敬する人物は誰かをこれまでに考えたことのない人は、選び方をもとに尊敬する人を見つけましょう。誰もが知る人物や面接官が知っている人物でなくても、あなたがどんな人かを説明できればかまいません。

次のポイントに沿った人物から、あなたの尊敬する人を見つけましょう。

<尊敬する人の選び方>
・良いイメージのある偉人や身近な人から選ぶ
世間で良いイメージのある偉人や有名人は、面接官も既にプラスイメージを持っている可能性があります。身近な人は一緒にいる時間が長く、尊敬できる部分を見つけやすい存在です。

もし尊敬する人が見つからないと思えば、これまでの人生でターニングポイントになったときを思い返しましょう。環境が大きく変化したときや何かをやめたときなど、あなたに大きな変化があったとき周りいた人を見つめ直すと尊敬する人がわかるかもしれません。

あなたが高めたいまたは身につけたい強みを持つ人物も、尊敬する人にあてはまります。人材派遣会社の紹介予定派遣の面接では、あなたの人物像を知りたいため、求める強みを持つ人の中から尊敬する人を探してもアピールになります。

・マイナスイメージで語られがちな人は避ける
マイナスイメージを持つ人物は人によってさまざまですが、多くの人がどうとらえるかで判断します。革命家や一部の宗教家は避けた方が無難です。

例えばヒトラーやスターリンの名前をあげた場合、面接官があなたを偏った思想があると判断するかもしれません。尊敬する人の質問は採用にかかわらないとはいえ、印象が悪いと採否を左右する可能性があるため、世の中でマイナスイメージを持たれる人物は避けましょう。

<尊敬する人を伝える、説得力のある話し方>
・初めに結論を述べる
尊敬する人は誰かを初めに話し、どのような人物かを簡単に紹介します。終始人物紹介で終わらないよう注意しましょう。

なぜ尊敬するかの理由もあわせて伝えます。感情的な理由ではなく、論理的な理由を述べられると良い印象を与えるでしょう。

・具体的なエピソードを話す
尊敬する理由を裏づける、あなたの過去のエピソードを具体的に話します。それをもとに、あなたがどうなりたいかや今そうなるために努力していることも加えましょう。

派遣が決まったあと、あなたがその企業でできることや目指すことを話す方法もあります。

尊敬する人の質問に困らないよう、回答例を参考にし事前準備しましょう

人材派遣の面接で尊敬する人の質問があった場合に備えて、答え方の流れとポイントを押さえた回答を用意しましょう。尊敬する人が世間で知られる偉人の場合と身近な人、具体的に尊敬する人が見つからなかった場合に分けて、回答例を紹介します。

<偉人>
私はマザーテレサを尊敬しています。マザーテレサはカトリックの修道女でしたが、患者の宗教にとらわれずケアし、ひとりひとりの宗教に合った方法で看取ったといわれます。

彼女の尊敬するところは、人を助けることを常に大切にして自分のこだわりを柔軟に変化させたことです。私はこだわりが強いものの柔軟な対応が難しいところがあります。

マザーテレサの話を知ってからは、彼女のように大切なものを1番に考えて最善の行動が取れるよう心がけています。

<身近な人>
・母親
私の尊敬する人は母です。母は社交的で初めて会った人ともすぐに仲良くなれる人で、人見知りだった私は母をうらやましく思っていました。

そんな母から、相手の良いところを見つけて誰でも同じように接することを教わり、取り組むようになりました。すると、相手の良いところを見つけるうちにうちとけられ、人とのかかわりが楽しくなりました。

母から学び私も社交的になれたことで、前職では初めてのお客様から接客を喜んで頂けて励みになっています。御社での販売業務でも強みを生かしたいと思います。

・前職または現在の職場の上司
私が尊敬しているのは、現職の上司です。いつも部下の考えと行動を理解しつつ、足りないところやミスにつながるおそれがあるときは、的確にアドバイスをくれます。

私たち部下を信頼して大きな仕事を任せてくれて、事前準備もが危ういときはサポートしてくれます。仕事に厳しい人ですが失敗に対してきつく叱るのではなく、なぜ起きたかと再発防止につとめてくれる懐の深さは、部下が安心して仕事にチャレンジできるポイントだと思います。

上司の仕事や部下への姿勢は、私が目指す社会人のありかたです。

<具体的な人物が見つからなかったとき>
自分から積極的に動ける人になりたい、人が見ていなくても率先してやりたいなど、目標が見つかっても具体的な人物が見つからないケースもあります。その場合は無理に人物をこじつけず、あなたが目指したいことをアピールできる回答をしましょう。

・見ていないところで手を抜かない
私は具体的に尊敬する人はあげられませんが、誰も見ていないところでも手を抜かない人を尊敬します。地元で夏に大きなお祭りがありますが、にぎやかに花火や出店を楽しむ人たちのわきで、ゴミ拾いや片付けをしてくれるボランティアの人たちです。

人が見ていないところで気配りのできる人たちのおかげで、お祭りの成功はあるのだと思いました。目立たなくても的確にサポートし、成功に導ける人に私もなりたいと思います。

(まとめ)人材派遣の面接で尊敬する人はどう答えるべき?

1.尊敬する人の質問はマイナス評価になりにくいですが、世間で印象の良い人を答えましょう
尊敬する人を面接で聞かれない場合が増えており、誰と答えてもマイナス評価されない質問です。しかし価値観が現れるため、面接官に好印象を与えるチャンスです。

好感度の高い偉人や身近な人を選び、結論から話す方法で回答をまとめましょう。

2.尊敬する人の回答内容によるマイナス評価はありません
尊敬する人の質問は思想や信条の自由にかかわるため、聞かない企業も増えています。質問する企業もあり、あなたの価値観や考え方・目標・説明力を知るために尋ねます。

マイナス評価にならないものの、職場と相性が良いとアピールできる質問です。

3.尊敬する人は好印象の偉人や身近な人から選び、世間で印象の悪い人は避けましょう
人材派遣会社の紹介予定派遣の面接で、尊敬する人を答えるときはプラスイメージの偉人や身近な人から選びましょう。回答は初めに尊敬する人をあげて簡単に説明し、理由とあなたの具体的なエピソード、職場でどうしたいかを話します。

4.尊敬する人の質問に困らないよう、回答例を参考にし事前準備しましょう
尊敬する人が偉人や身近な人の場合は、回答例を参考に結論から伝える話し方で答えをまとめましょう。目標が見つかっても具体的な人物が見つからないときは、あなたの目標に取り組む人の姿を紹介する方法があります。

著者情報

小松 元樹
プロフィール:転職コンサルタント。自身の転職経験から転職者により良い選択をしてもらいたいという願いから3年前に起業。多くの転職相談者にアドバイスをしている。
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